ひな祭
三月三日の今日は桃の節句です。ひな祭の語源は、ひいな(小さな)、ひひな(大変美しい)から来ました。昔、中国で三月最初の巳の日に、川で身心を清める為に禊の行事があり、上巳(じょうし)と呼ばれていました。後に最初の巳の日が三日に定められ、1629年に日本に伝わり、ひな祭となりました。初めは草で人形を作り、人間の罪や穢れを人形に背負わせ、川へ流したことが始まりです。今でも島根県などでお雛様を川へ流す風習が残っています。雛人形に自分の罪や穢れを背負わせて、それらが消えるのなら本当に良いですね。でもこれを考えると昔の人は自分達が、罪や穢れが多い事を認めているのかなと思います。
現代では自分は悪くない、自分は穢れていないし、何も悪い事をしていないので、罪などある筈もないと考えている人々が多いのではないかと思います。御神仏は人間がこの世に生まれている事態が罪であるとおっしゃいます。罪があるから、この世で善を積んで悪因縁を減らす修行に来ているのです。人間として生を受けている私達は、全員罪人であり、穢れがある事を認識すべきです。
ひな祭には、ちらし寿司を頂きます。これにも意味があります。まず春夏秋冬を表わしています。春は緑色のさやえんどう、夏は赤色の紅しょうが、秋は白色の蓮根、冬は黒色の海苔、真ん中は黄色の太陽を卵で表わしてお寿司全体で宇宙を表わしているそうです。
三月はご先祖様にとっても大切な彼岸月です。春と秋に真東から太陽が昇り、真西に沈んでいく日を彼岸の中日と呼んでいます。私達が住んでいるこの世界を此岸(しがん)、あの世の世界を彼岸と言います。私達が唱えている般若心経の最後の部分「羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶、般若心経」行こう、行こう、とらわれない世界へ、素晴らしい世界へ、一人残らず皆で悟りの世界へ、と言う意味です。その世界が彼岸、皆で行きたい願いが、大乗仏教の素晴らしい所です。
合掌