ひな祭り

 おひな祭りは中国から伝わって来ました。語源は(ひいな)で小さいと言う意味です。
 中国で三月の一番始めの巳の日に、川へ皆で行って一年間の罪、けがれを浄める為に禊ぎをしたのです。それが中国では上巳(じょうし)と言われる様になり、日本に伝わったのは今から四百年ぐらい前です。紙や草を人形に仕立てて自分の体を撫で、それを川に流したのが今の雛祭りの原形です。毎年「罪やけがれをお許し下さい」と人形に託して川に流す訳ですが、そんな事で罪やけがれが流れたら本当に良いなと思います。この行事から考えるに昔の人は自分が罪深い人間だとか、けがれていると言う事をしっかりと認識していたのだと思いました。今の人にそれを言っても、「私は何もしていません。罪もけがれも無い善人です」としっかりと言う人の方が多いそうです。それを御神仏が聞かれた時に、「ここに人間として生を受けた事自体が罪人の証だ」とおっしゃいました。何故かと言うと、罪やけがれがあるから人間として生を受け、この世で善行や功徳を積んで、悪因縁を少しでも取り除く為の修行に生まれて来ているから、この世に人間に生まれて罪人でない人は一人も居ません。これを考えるとしっかりと自分は罪人であると言う事を認識した上で、毎日の礼拝を行うことが正しいのです。

 三月三日を過ぎたらお雛様をすぐに仕舞わなければ、お嫁に行き遅れると良く聞きますが、本当でしょうか?と言う質問がありますが、そう言う意味ではありません。地方によって雛祭りの日にちは違います。ちなみに高山では四月三日です。雛祭りは女の子の節句ですので、お嫁に行く迄にきっちりと片付けが出来る様な心構えやしつけをし、子供の教育をしようと言う考えなので、きちんと感謝してお雛様は片付けた方が良いでしょう。日本にはこの様に良い風習が沢山あります。それぞれに意味があって行うので簡単にやめてしまわず、出来るだけ良い風習は残すべきです。
合掌