人間関係

 私達が日々生活していく上で、一番悩み事が多いのは人間関係です。中国のことわざに『氷炭相愛』(ひょうたんそうあい)の言葉があります。直訳すると氷と炭が共に愛すると言う意味になります。氷と炭は性質が正反対です。しかし、この二つが認め合うことで、お互いの欠点をカバーすることが出来ます。自分と似た性格同志が交際していても争い事はありませんが、視野は狭くなります。一見自分とは全く異なるタイプの人間にでも、反発するのではなく、お互いの考えに歩み寄り、切磋琢磨しあうことで、お互いの考えも理解でき、次第に良い関係を保つことが出来ます。この様な関係は長続きします。世界三大聖人と尊敬されているソクラテス、孔子、釈迦。その中のお釈迦様が人間関係についてのお話をされています。

 バラモンの弟子がお釈迦様の説法を聞き、自分の師匠の下を離れ、お釈迦様の弟子になったのを知ったバラモンはお釈迦様を罵りました。反発もせず黙って聞いておられたお釈迦様が『お前の家に訪ねて来た客にご馳走を出すだろう。出したご馳走を客が食べなかったら、残った物は誰のものですか?』バラモンは「それはわしの物だ」そしてお釈迦様は『怒りに怒りをもって返したら、ご馳走と一緒に食べたことになる。私はお前の怒りはもらわなかった。その怒りはお前の物として残っている』と諭されたのです。この様に人が怒ってものを言う場合、怒り返す人の方が多いのです。この繰り返しが人間関係を益々悪化させるのです。自分にとって耳が痛いと感じることを言ってくれる人も大事、怒りを持って話さないことも大切です。良い人間関係を保ち楽しい人生を送りましょう。合掌