仏と鬼が同居

 節分は毎年お話しています様に、心の中には鬼が住んでおり、同時に仏も鬼と同居しています。その力関係は、例えば男女が結婚して日々生活していくうちに、どちらかが主導権を握ります。ほとんど同じ力という事は少なく、どちらかに片寄るものです。心の中の鬼と仏、どちらの力が強いかにより皆様の幸せの度合いも変わってきます。しかし、この力の差を決めるのは自分自身の日常の行為に掛かっています。どの様にすれば仏の力の方が強くなるのか?皆様は先祖の供養を先祖や水子等、死者の霊魂を成仏に向かわせたいから行っていると思います。これに対し、御神仏は死人に対してだけではなく、今現世で生きている私達も、自分自身で成仏出来る様に日々行動する事が大切である、とおっしゃいます。子孫がいない人や、将来絶家になるであろう事を想定し、他人を頼りにするのではなく、自分自身で成仏に向かう為に手をあわせる心を持つ事が大切です。例えば自分を省みず、他人ばかりを見て人を罵倒したり、他人の責任を追及したりしますが、自分自身の心中に住むみ仏に礼拝する心を持ちだすと、自分の行為が正しくない時、自分自身を拝む事が恥ずかしくなります。毎日、自分自身の心を見つめ、反省し懺悔し、自分を正していかないと、なかなか自分自身を拝むという事は出来ないものです。この様に成仏とは死人に対しての言葉だけでなく、本来の人間の姿を考えると、生きているうちに成仏に近づく事が出来る様に努力をする事が大切です。

 例えばおじいさんが亡くなりました。「成仏していますか?」と聞くのは少し違います。成仏とは仏に成る事であり、人が死んだら仏になるのではなく、ただの霊魂になるだけです。仏とは真に解脱された方であり、お釈迦様やお大師様のような方が仏様なのです。残された子孫が一生懸命供養して御神仏のお力をお借りして成仏に導きます。しかし全然信仰心のない方は、あの世へ行って成仏するのに相当の年月が掛かります。従って生きている今の行為が大切であり、この一瞬一瞬の積み重ねがあの世へ行った時、成仏に導いて頂けるのです。あの世を信じない人がいきなりあの世に行っても成仏出来ません。御神仏等いないと思っているのでうろたえ、存在を認めるところから始まります。今生きている元気な時に、御神仏の存在を信じ、霊界を信じて正しい信仰を続け、魂の向上の為に修行し、努力する事が大切です。その結果として心の中の鬼を退治する事が出来るのです。本当の意味での「鬼は外」を心がけて下さい。 合掌