功徳貯金
台風の季節になりましたが、59年前の9月26日は伊勢湾台風で、4700人あまりの方が亡くなられたのですが、以前テレビで台風や地震の事を研究している方に、司会者が「今度はいつ頃こういう被害がありそうですか?」と尋ねると、「今日あるかもしれないし、明日あるかもしれない。人間は長生きしても百年だから滅多に災害に遭わないので、大変な事だと思うのでしょうが、大宇宙における自然の原理と言うものは、台風も地震もあって当たり前なのですから、そう言う事を聞く方がおかしいですよ」と答えられました。大自然の中では人間は本当にちっぽけな物で、何も出来ません。
「一陰一陽これ道なり」と言う言葉がありますが、大宇宙の全ての物は陰と陽で成り立っているのです。人生も陰と陽とがあって人生なのですが、人間は皆幸せになりたいと思っていて、他人から見て幸せそうな人に、「あなたは幸せですね」と言うと、「何を言っているの、私にもとても苦労があります」と多くの方々は言います。そしてちょっと不幸になると凄く騒いで「私だけが何故こんなに不幸なのだろう」と言うのです。
御神仏も、『幸せな時は黙っていて、不幸になると急に騒ぐのが人間だ』とおっしゃいます。人生の波は大波の人もあれば、さざ波で一生過ごせる人もいますが、私達は必ず陰と陽で成り立っていると言うことです。自分が今、幸せな陽の人生を送っている方は、「陰で支えている方がいるから自分は陽でいられるのだ」と思い感謝して頂きたいし、逆に今、苦しい人は、「自分は誰かを支える時なのだ」と思い努力して頂きたいと思います。どんなに強運の持ち主でも、陰と陽は必ず訪れます。大切なのは陰の時に不平不満を言わないことです。その時々にやるべき事柄を一生懸命に努力することです。
すると、いつの間にか再び自分に陽の時期がやって来ます。陽の時にするべきことは感謝です。陽の時期に自分勝手なことばかりせず、神様への礼拝は勿論のこと、ご先祖様への供養も怠らないことです。他人様の為に功徳を積むことによって、自然と自分自身にも功徳の貯金が廻って来ます。この貯金を陰の時期が来た時に、少しずつ役立てることによって慌てずに済むのです。
よく聞く話は「今は何一つ悩みも、不安も無いから信仰は必要ありません」です。自分自身ゆとりのある時にこそ、功徳貯金の為に努力しましょう。ゆとりの時間やお金を無駄に使って、後で後悔しない様に、遊び友達や贅沢な品々は陰の時に助けてはくれません。折角この世に生を受けたのですから無駄の無い充実した人生を送りましょう。
合掌