寿命
今世界中の人々がコロナウイルスの恐怖と不安におびえています。それは数日前まで元気だった人が、ウイルスに侵され次々倒れていき、最悪は、あの世に帰ってしまう事態となります。この状況を毎日見ていると、以前お釈迦様にお聞きしたお話を思い出しました。今から2500年位前のお釈迦様がご存命の時代、平均寿命は何才位だったのでしょうか?我々が子供の時は、人生わずか50年と言われていました。
ある日お釈迦様がお弟子さんに質問されました。『人生は何年か?どの位あるものか?』その当時お釈迦様は80才、2500年前の80才は相当長生きです。あるお弟子さんは「50年です」と答えました。お釈迦様が「違う」。他の弟子達は40年、30年、20年と10年刻みに答えましたが、お釈迦様は首を横に振られるだけです。そのお答えは、『一(ひと)呼吸の間です。それが人生だと思いなさい。一呼吸一呼吸が重なって、それぞれの寿命となる』。「一寸先は闇」とよく言いますが、昨日まで元気だった人が、急に亡くなったという事があります。その方は本人も明日亡くなるとは思っていないでしょう。お釈迦様がおっしゃるように、一呼吸一呼吸が重なり合って寿命なのだ、とお聞きするとその一呼吸が大変有り難く感じ、今生きているだけで感謝に値します。
ところが私達は自分や家族だけが、長生き出来ると勝手な思いから不満がつのるのです。「どうしてお母さん70才で亡くなったの?108才まで生きている人がいるのに・・・」と言いますが、寿命はご神仏しか御存知ありません。自分の寿命がわからないから、一呼吸一呼吸を大切にしなければならないのです。ご神仏に無病息災を願いますが、一病息災が一番長生きするそうです。持病があると常に病院へ行くので、例えば頭痛で検査をした時に、他の病気が見つかる可能性もあるからです。信仰もある意味似ています。悩みがある時はよくお参りに来られます。商売繁盛や健康など・・・。ところが健康になり商売が繁盛すると、一度もお参りに来られない人も多くいます。するとご神仏は少し位悩みを残しておいた方が良いのではないか、と思われます。本来は悩みを取って頂いたら、感謝の心でもっとお参りすると、次の悩みが出て来た時には、もっと早く簡単に解決出来るのです。悩みが解決すると止める方が多いのは残念です。ご神仏は悩みをきっかけに本来の信仰に導こうと願っておられます。ご神仏を裏切らない様にしっかり信仰しましょう。合掌