新年の言葉
新年明けましておめでとうございます。昨年中は御協力頂きまして誠に有難うございます。本年もよろしくお願い致します。新年を迎えると思い出す言葉があります。
徳川家康の言葉で「人の一生は重き荷を負うて、遠き道を行くが如し、急ぐべからず、不自由を常と思えば不足なし」嫌な事や困難から逃げたりせず、また華やかな成功を夢見たりせず、その時々の感情に左右されずに日々送る事が大切です。人生には苦難がつきもので、例えどんなに小さな目標でもそれを達成するには惜しみない努力と困難がついて廻り、その達成には必ず時間が掛かります。急がず着実に一歩一歩進めていく事が大切です。私達は人それぞれにあの世からもって生まれた宿命があります。イライラせずに今年も様々な事柄を乗り切って生きてゆかなければなりません。
お正月を始め日本には様々な伝統的な行事があります。例えばお正月には鏡餅を供えますが、最近ではお餅を食べないのでお鏡は飾らない、と若い夫婦の方が話していました。どの行事も日本古来より言い伝えられた、いわれがあります。お鏡のお餅は丸でなければいけません。それは家庭円満に過ごせる様に、またお餅を重ねていますが、これは幸せが次々と重なって来ます様にとの願いが込められた形です。お鏡の一番上に橙(だいだい)をのせますが、これも子々孫々まで永久に家が存続します様にとの願いですので、橙がなかったらミカンでも載せて置けでは意味が通じません。干し柿はいつもニコニコ仲むつまじく、と言う意味で左右に2個ずつ中に6個柿が刺してあります。また祝い事に欠かせない赤飯は必ずゴマ塩が付いていますが、これも白ゴマでは意味がありません。赤飯は赤でいかにも勢いがあり、めでたく感じます。そこに振り掛けるゴマ塩は白黒でお葬式などの鯨幕を表します。それは今自分達が祝い事をしていても、人生は良い事ばかりは続かない。「勝って兜の緒を締めよ」の如く、戒めの意味が含まれています。仏教で言う諸行無常です。この様に色々な意味が含まれている行事を勝手に省いてはいけません。皆様が食べられたおせち料理も一品ずつ意味があって重箱に詰められたものです。何気なく頂くのではなく意味がある事を知って食べて頂きたいと思います。今は若い人達が面倒くさがる年賀状も大事な御挨拶の証です。特にめったに会う事がない人達には元気でいる事の証明になります。私も同窓生やかつての会社の上司から年賀状を頂くと、まだお元気だと安心と共に嬉しくなります。自分の歴史の一端を共に過ごした人達だからです。
今年皆様にお送りしました年賀状に書きました様に心の中の「賊」はなかなか退治しにくいものです。この世の最強の敵は自分自身です。心中には退治しても、しきれない魔物が棲んでいると言われています。その魔物を退治する方法は一つ。素直な心で説法をしっかり聞き、それを体得する事です。つまり説法を自分のものにする事が大事です。去年からあまり景気の良いニュースが流れて来ませんが、12月に聖天堂の前にあります大根にロトくじで2億円当たりました。有難う御座いました。と大変景気の良い感謝の言葉が書かれてありました。暗いニュースに惑わされないで、皆様もこの方にあやかれます様に楽しい希望を持って下さい。今年も色々な事柄に遭遇した時、落ち着いて対処出来る一年でありたいと思います。今年も聖法院を心の故郷として、気軽にそして楽しくお参りくださいます様、心からお待ち致しております。 合掌