新年の言葉

 明けましておめでとうございます。昨年中は色々ご協力頂きありがとうございました。心から感謝致します。

 今年は干支で最後の亥年です。猪と言って思い出す言葉は「猪突猛進」です。猪は走り出すと真直ぐ走り、曲がる事が苦手だから、脇目も振らず走る事を言い表します。昔は前後の見境も無く敵に立ち向かう侍の事を「猪武者いのししむしゃ」と呼ばれていました。現代でもそれに似た行動をする人も居られますが、『慌てる乞食は貰いが少ない』と言う格言もあります様に、何事かする場合は、良く考えて落ち着いて行動する方が失敗が少ないと思います。この世に生を受けた私達は、全員幸せな人生を望み日々努力しておりますが、人それぞれに修行の内容が違いますので、幸せの内容も違いがあって当然です。ご神仏がおっしゃるには、幸せを数で表わすと、皆さん殆んど変わらない数を人生で頂けるそうです。
 以前PHPの本で読んだ事があります。中村メイコさんの息子さんが留学から帰る時に、そこの家族の方が送別会をしてくれる事となり、息子さんは「フランス料理でも食べに行くのかな?僕の為にしてくれるのだから、きちんとした服を着て行った方が良いだろう」と思い、スーツを着て下に降りて行くと、皆はいつもの服装のままで、「さあ、行こう」と言いました。息子さんは「えっそのままの格好で行くの?」と思いましたが、御馳走してくれると言われたので、付いて行きました。するとマクドナルドに入り、お父さんが皆に「今日は送別会だから、二つ注文してもいいぞ」と言うと子供達は、「ポテトフライとコーラもいいの?」と喜んで言いました。それを見て、息子さんはどうしてポテトフライとコーラでそんなに喜ぶのかわからず、もっと御馳走だと思っていたので少しがっかりしていると、お父さんが「それだけ喜ぶのだったら、ハンバーガーも付けてやろう!」と言うと、家族全員が喜び沸き上がったのです。そして色々な思い出話をしながら食事を始めました。
 息子さんは自分の為に送別会をしてくれたのに、自分だけ何か違和感を感じるのは何故かと考えると、子供の頃から贅沢をして、「今日はステーキが食べたい」と言えば、一流のレストランに行けたので、それが当たり前だったのです。息子さんは、「僕よりもずっとこの子達の方が幸せの数が多いのだな」と思ったそうです。皆様も過去と比べて今の方が少し贅沢出来る様になったかな?と感じる方は初心を思い出し、全てが当たり前にならない様、幸せと感謝の気持ちをいつも持っていれば、毎日が幸せに感じる日々が多くなるのです。今年は昨年よりもっと幸せを感じ、感謝できる日々を多く持ちましょう。

 今年も三ヶ日初ゴマを焚かせて頂きました。そこで、お不動様に頂いたお言葉をお話し致します。『衆生の者達は男女平等平等と叫んでいるが、神仏から見ると少し考え方が間違っている様に感じる事がある。昔の様に男尊女卑は間違っているが、男性も女性も人間として考えた時は平等である。しかしそれぞれの特性により働く内容が異なる。そこをしっかりわきまえる事が肝心である。例えば子供を身ごもるのは女性にしか出来ない。いかに男女平等と言えども、次は男性が身ごもる番だとは言えないし実際には不可能である。力仕事もしかり、この様にお互い男女それぞれに違う役割があり、能力も違うから、その差を埋めるものは、お互いに尊敬の念、とお互いへの感謝の心である。それがないから争いごとが生じる。男女お互いが認め合い尊敬の念を忘れない様にする事が人間としての価値が上がる。』

 今年も聖法院を心の故郷として、皆様のお参りを心からお待ちしております。

合掌