興福寺参拝
多くの世界遺産を有しているこの興福寺は、藤原鎌足の夫人が夫の病気平癒を願って、鎌足の発願で釈迦三尊を本尊として建てられました。その中の南円堂は西国33ヶ所巡りの9番札所です。度重なる火災に遇いながらも、その度に再建されたそうです。
中でも人気があるのはやはり阿修羅像で、いつもの西金堂ではなく、国宝館に安置されていました。元はインドの神様で「アスラ」と言います。正義を司る仏教の守護神と言われています。本来は穏やかな仏様ですが、帝釈天に自分の娘「舎脂(しゃし)」を強奪されたので、帝釈天との戦いが始まりましたが、もともと優しい阿修羅は負け続けました。阿修羅は娘の幸せな姿を見て戦いを後悔したのです。三面六臂で左は歯を食いしばった顔、正面は懺悔の表情、右は自己を見つめる表情です。それらの複雑な表情が入り混じって、少し哀愁を帯びた魅力的なお顔になっています。戦う神なのでそこから修羅場の言葉が出来ました。帝釈天に天部から阿修羅道に落とされましたが、仏の教えに目覚め、仏法の守護神となり、六道の中の阿修羅道の主になられました。
薬師如来様から一言『人々は私を目の前にすると、病気平癒を頼む者が多い。病の原因は大きく分けて2種類となる。一つは生まれもって持ち合わせている細胞の違い。二つ目は毎日の生活環境や食事の差である。これらの他に健康を維持する為にもう一つ大切な事がある。それは日々心の掃除をし、埃りや垢が溜まらない状態にする事である。自分で出来る努力をしっかりした上で、病になった場合は薬師に願うが良い。他人の心の埃を気にする前に自分の心をしっかりと洗濯せよ。』と説かれました。
十一面観音様を礼拝した時、唐突に『鍵を有効に活用しているか?』と聞かれました。一瞬何の事か?と判りませんでした。その場を離れてしばらく考えて、ようやく思い出しました。慌ててもう一度十一面様の所に引き返し「はい、お蔭様で元気にさせて頂いて居ります。ありがとうございました。」とお礼を述べました。その言葉は30年前にお聞きしました。『人間をこの世に送り出す時、必ず2つの鍵を与えている。感謝の心の鍵と健康の鍵(精神と肉体の健康)この2つの鍵を上手に使えば必ず幸せになる。使い方を間違えたり、使わずに放置すると、いつしか鍵も錆び付き使用不可能になる。』と教えて頂いたのです。自分なりに健康管理と感謝の心は、いつも忘れない様に気を付けていますと、いつしかどんなに小さな事柄にも感謝の心が持てる様になりました。とは言え自分が気付かぬ場面で、まだまだ抜けている事も多いかと思いますので、あの世に帰る迄、気を抜かずに日々を暮していきたいと思いました。
合掌