諸行無常

8月のお盆供養も皆様のご協力で無事終わらせて頂きまして、暑い暑いと言っているうちに秋が訪れ、今月はお彼岸月です。昨年元気でお参りされていた方が、今年はお盆供養をされる側におられて、「諸行無常」をヒシヒシと感じます。簡単に言えば諸行無常とは、いつも常でない、今あることを明日も同じ様にあると思うなということです。私達が苦しみ悩む根源は諸行無常(しょぎょうむじょう)をしっかり理解していないところにあります。いつまでも今の自分が続くと思っているから、歳を重ねて身体が思う様にならなかったら、不満が出て来ます。仏壇に造花を飾ってはいけない理由もここにあります。造花はいつまで経っても枯れないので、時が刻々と移り変わって行く姿が判りにくく、愚かな私達人間はいつまで経っても変わらないと勘違いするのです。逆に生花からは、日々衰え枯れていく様子、全ての生きとし生けるものが、刻々と移り変わって行く姿を感じます。当然自分自身も1秒1秒変化して行き、やがては命尽きることを自覚します。私達も刻々と人生の終わりに近づいています。こればかりは人間全て平等に扱われています。そんな私達は、身体健康、商売繁盛など、様々なことをご神仏に祈願します。ご神仏がおっしゃったのは、『祈願しているのは人間だけではない。神仏の方も人間一人一人に願いをかけている。それは正しい真の人間になれ』と言うことです。この様にご神仏に願いをかけられている私達なので、ご神仏を裏切ることなく、正しい信仰をして本来の人間になることを目標に精進努力することです。例え無力な人間であっても、一人一人その人に合った願いをかけられています。そのかけられた願いが大きければ大きい程、それから逃げ出すことによって人生も狂ってきます。何度も輪廻転生(りんねてんしょう)を繰り返す度に、解脱(げだつ)を目指して魂が浄化されなければなりません。私達がこの世に生を受ける目的は解脱です。この世でしかできない魂の修行を心がけ、しっかりと功徳を積んで、前向きに無駄の無い時間を送りましょう。一番元気な時の自分や、仕事運が一番伸びて経済的に安定している時の自分と今を比べるのは間違いです。諸行無常の道理を忘れないことです。   合掌