諸行無常

明けましておめでとうございます。昨年は色々ご協力頂きありがとうございました。思い起こせばこの本堂を建立したのも巳年でした。巳年は飛躍の年とも言われています。私も昨年大僧正の任命を受けましたし、身体に気を付けて、しっかりご神仏にお仕えし、お寺の発展と信者様の幸せを願い日々暮らしたいと思っています。昭和の最後の年、64年のお正月に何をお話したのか紐解いてみますと、仏教の教えで大切な諸行無常のお話をしていました。

 お釈迦様が仏となられた35歳を真の人生の出発点と考えて、若い人は自分がその年になるまでは、まだまだあると思い、自分勝手な考えで、今は準備期間だ等と自分自身に言い聞かせながら時が過ぎる。人生の終末が人それぞれに違い、人生の終局が判らないから、自分だけはいつまでもお迎えが来ない様な気になる。それと同時に自分の親や兄弟も、何時までも元気で当たり前だと錯覚する。あの世に帰る事も老いる事も病に伏す事も、全く他人事の様な気がする。年々自分が向上するにはどうすれば良いか?それは諸行無常をしっかりと自覚する。努力した後は御神仏にお任せする。病になったら病と道を同じくし、貧乏になったらそれに身を任せる。これらを実行する事によって、少しずつ魂が向上していくのです。大事なことは日々しっかりと信仰する事によって、相手を許す心を養う。しかし許してやった、と相手に恩着せがましくする態度は、心から許した事にはならない。従って自然に物事を受け止められる様になったら、それが自分自身の魂の浄化や、向上のバロメーターと言える。今年からは何事にも一喜一憂せず、何事も自然に受け止められる自分になりましょう。
合掌