今世の目標
久し振りに雅楽の東儀さんをテレビで拝見し、思い出したことがあります。二十数年前、東大寺の大仏様が開眼から千二百五十年経ったと言うことでイベントがありました。雅楽の東儀秀樹さんが出演されていたのですが、東儀さんが笛を吹かれたと同時に勝手に涙が出て来て、「これはどうしてだろう」と自分でも驚きました。目を閉じて聞いている内に昔の自分が見えて来ました。演奏が終わり、静かな声で東儀さんが、「数百年前、私の先祖が同じ笛で同じ曲をここで奉納したことがあります」と言われたのを聞いて、「初めて聞いた音色にしてはどうしてこんなに懐かしく、涙が出るのかと思ったら、やはりそうなのか、私も数百年前にここに来てそれを聞いたのだ」と思いました。それは肉体の私が分からなくても、魂は分かっているからで、その魂まで引き出されたと言うことに対して大変感動したのです。東儀さんは、「この儀式がずっと自分の子孫にまで及び、引き継がれてまた自分が輪廻転生してこの世にもう一度生まれ変わった時に、同じ笛で同じ曲を大仏様の前で奉納出来ることを心から祈っております」と言われました。この世に生を受けて一番大切なことは出世して大金持ちになることでは無く、魂を向上させる為にこの世に生まれて来ているのです。やはり御神仏から直接頂いたご法話をしっかりと聞くことが、魂が一番喜ぶことです。ただ聞き流すだけでは魂まで届かないので、何度も本(心に水を)を読んでそれを覚えて体得し、それを他人にお話することで自分の守護霊の霊格が高まって来ます。それが自分の魂を向上させることになります。せっかく御神仏と御縁を頂き、大切な人生の時間を割いて、お参りされているので、それらを無駄にしない様にしっかりと法話を体得し、人間向上して更に魂の向上を目標にして、今世で修行して頂きたいと思います。合掌